【会計ソフト変更】マネーフォワードに変える手順!顧問税理士が非対応なら?

「今の会計ソフトからマネーフォワード クラウド会計に変えたい。でも顧問税理士が別のソフトを使っているので言い出しにくい。」こうしたご相談は少なくありません。 結論から言うと、会計ソフトの変更と税理士の変更は別の話です。まず「何を改善したいのか」を整理し、データ移行の手順と範囲を押さえる。そのうえで、今の税理士がマネーフォワードに対応できるかを確認する。この順番で進めれば、変更はそれほど難しくありません。 本記事では、マネーフォワード クラウドのプラチナパートナーである税理士事務所の立場から、他社ソフトからマネーフォワードへ変更する具体的な手順と注意点を解説します。
会計ソフトを変える前に「何を改善したいか」を決める
マネーフォワードへの変更は、それ自体が目的ではありません。マネーフォワード公式も、価格だけを理由に乗り換えても業務が変わらなければ意味がなく、事前に目的を明確にすべきだとしています。
※出典:マネーフォワード社「会計ソフトの乗り換えはいつがベスト?互換性にも注意!」
目的によって、移行後に使う機能も変わります。
| 改善したいこと | 移行後に使う主な機能 |
|---|---|
| 手入力・転記の手間を減らしたい | 銀行口座・クレジットカードの自動連携、自動仕訳ルール |
| 請求書・給与・経費をまとめて管理したい | クラウド請求書・クラウド給与・クラウド経費との連携 |
| 税理士とデータを共有したい | 税理士をメンバーに招待し、同じデータをリアルタイムで共有 |
| 月次の数字を経営判断に使いたい | 月次推移表・資金繰りレポート |
法人向けプランでは、請求書管理や経費精算などのサービスも基本料金内で使えます。
※出典:マネーフォワード社「他社会計ソフトからの乗り換えガイド ~マネーフォワード クラウド会計へのデータ移行~」
目的が曖昧なまま移行すると、「ソフトは変わったが入力方法は以前のまま」という状態になりがちです。
他社会計ソフトからマネーフォワードへ変更する手順
移行は次の5ステップで進めます。マネーフォワードのサポートページで示されている流れに、実務上の確認ポイントを加えて整理しました。
※出典:マネーフォワード社「『他社ソフトデータの移行』に対応していない会計ソフトからの移行方法」
1.旧ソフトのデータを書き出す
仕訳帳、勘定科目・補助科目の一覧、税区分の一覧をCSVやExcelで出力します。期首残高が分かる前期の決算書・残高試算表も手元に用意します。
2.事業者情報を設定する
会計年度、消費税の経理方式、部門を設定します。原則として旧ソフトと同じ設定に合わせます。
3.勘定科目・補助科目を整える
旧ソフトの科目をマネーフォワードの科目に対応させます。名称が一致しない科目は、取込時に「追加」か既存科目への「変換」を選びます。
4.開始残高を登録する
移行する年度の期首残高を登録します。補助科目や部門ごとの残高も必要です。
5.仕訳を取り込み、残高を突合する
取り込み後、残高試算表の残高が旧ソフトと一致するかを確認します。資産・負債・純資産の合計で照合し、差異がある部分だけ科目単位で追うと効率的です。
弥生会計・勘定奉行・freee・ミロク・PCA・JDL・会計王などは、マネーフォワードの「他社ソフトデータの移行」機能で直接取り込めます。対象外のソフトでも、指定フォーマットに合わせればCSVで取り込み可能です。新規登録後1か月は有料プラン相当の機能を無料で試せるため、本番の切り替え前に試しにインポートしておくと安心です。
変更は「決算後の期首」がベスト。期中でも可能
もっともスムーズなのは、決算が締まった後、新しい事業年度の期首から切り替える方法です。確定した前期の決算書の数字をそのまま開始残高にでき、1年分の帳簿が1つのソフトで完結します。
期中でも変更は可能です。その場合は、期首から切り替え時点までの仕訳もマネーフォワードに取り込みます。1つの事業年度の帳簿を2つのソフトに分けると、決算や申告の際に数字を合算する手間が生じるためです。突合の際は、残高試算表の表示期間を移行した期間に合わせて確認します。
避けたいのは、決算月から申告期限までの時期です。決算整理と移行作業が重なり、ミスの原因になります。期中に変えるなら、少なくとも決算の2〜3か月前までに移行を終えておくのが実務的な目安です。
仕訳・開始残高・勘定科目・補助科目はどこまで引き継げる?
会計データの中身はほぼ引き継げますが、連携設定や自動仕訳ルールは作り直しになります。
| データ | 引き継ぎ方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 仕訳 | 主要ソフトは移行機能で取込、それ以外はCSV | 開始残高にあたる仕訳は除いてから取り込む |
| 開始残高 | 弥生会計・ミロクは専用インポート、他はCSVか手入力 | 補助科目・部門別の残高も必要 |
| 勘定科目・補助科目 | 弥生会計・勘定奉行・ミロクは専用インポート、他はCSV | 不一致の科目は「追加」か「変換」 |
| 取引先・税区分 | 取込時に既存項目へ変換 | 新規追加はできない |
| 固定資産 | 原則として再登録 | 取得価額・償却累計額を前期決算と一致させる |
| 口座連携・自動仕訳ルール | 引き継げない | マネーフォワード側で作り直す |
複数年度を移す場合、開始残高は最も古い年度だけに設定し、翌年度以降は「次年度繰越」機能で繰り越します。また、マネーフォワードは税込金額から消費税額を自動計算するため、旧ソフトと端数がずれることがあります。差額は期末に調整仕訳で合わせます。
※出典:マネーフォワード社「『他社ソフトデータの移行』に対応していない会計ソフトからの移行方法」
過去何期分を移すかは目的次第です。前年同月比や数期分の推移を見たいなら、その期間まで移しておくと便利です。比較に使わない期は、旧ソフトのバックアップと決算書を保管しておけば足ります。
銀行口座・クレジットカードの連携を再設定する

旧ソフトの口座連携は引き継げないため、マネーフォワードで一から登録し直します。手順は次のとおりです。
1.連携する口座・カードを洗い出す
法人口座、法人カード、決済サービス(Stripe・PayPalなど)を一覧にします。事業で使っていない個人口座・個人カードは連携しません。
2.マネーフォワードで登録・認証する
金融機関ごとにログイン情報を登録し、明細の取得を開始します。
3.二重計上を防ぐ
連携すると過去の明細も取り込まれます。旧ソフトで入力済みの期間の明細は「対象外」にします。
4.自動仕訳ルールを作り直す
家賃や通信費など毎月同じ取引から順にルールを登録すると、翌月以降の入力が大きく減ります。
実務上の注意点として、金融機関によって連携の安定性に差があります。連携が頻繁に切れる口座を使っている場合は、移行を機に口座の使い分けを見直すのも一つの方法です。
顧問税理士がマネーフォワードに対応していない場合は?
「税理士が別のソフトを使っているから変えられない」と考える方は多いですが、会計ソフトの変更と税理士の変更は切り分けて考えられます。
まずは今の税理士に、マネーフォワードへ変更したい理由とあわせて相談してみてください。確認したいのは次の3点です。
1.マネーフォワード上で月次のチェックや決算・申告まで対応できるか?
2.普段のソフトと異なる場合、データを書き出して事務所側の申告ソフトに取り込む形で対応できるか?
3.アカウントを会社名義で契約し、税理士をメンバーとして招待する形で問題ないか?
普段は別のソフトを使っている事務所でも、データの受け渡し方法を決めれば対応できるケースはあります。アカウントは会社名義で契約しておくと、将来税理士が変わってもデータの主導権は会社に残ります。
それでも対応が難しい場合は、マネーフォワードに対応した税理士への変更も選択肢になります。税理士変更の進め方や引き継ぎについては、「【税理士変更】マネーフォワードをフル活用するために、税理士を変えるべきか?」にて、マネーフォワードに強い税理士への変更方法で詳しく解説しています。
【会計ソフト変更事例】インテル税理士事務所での移行支援
当事務所で実際に他社ソフトからマネーフォワードへ移行した2社の例です。
| 項目 | A社 (大阪市内の法人) | B社 (システム開発・社長+従業員1名) |
|---|---|---|
| 変更前のソフト | 弥生会計 | 会計王 |
| 変更の目的 | いつでもどこでも自社の業績を毎月見たい | 社長自身が入力し、税理士が月次でチェックする体制にしたい |
| タイミング | 直近期の申告後に移行 | 期中(決算の約3か月前)に切り替え |
| 移行したデータ | 過去3期分の仕訳データ | 当期の会計データ、過去の売上請求書 |
| 当事務所の対応 | 仕訳データの移行と残高の突合 | 初期設定の案内、連携口座の選定、月次チェック体制の構築 |
B社では、使う機能を口座連携・カード連携・クラウド請求書・クラウド給与の4つに絞りました。Excelで作っていた請求書もマネーフォワードに切り替え、領収書のアップロードは不要とし、連携明細で取引を把握する運用にしています。経理担当がいない会社でも続けやすいよう、最小限の構成にしています。
まとめ「マネーフォワードへ変更する際に、必ず押さえる5つのポイント」

会計ソフトをマネーフォワードへ変更する際のポイントは次の5つです。
1.先に「何を改善したいか」を決め、移行後に使う機能を絞る
2.手順は「書き出し→事業者設定→科目→開始残高→仕訳の取込と突合」
3.タイミングは決算後の期首がベスト。期中でも、期首からの仕訳を取り込めば変更できる
4.口座・カード連携と自動仕訳ルールは作り直しが必要
5.顧問税理士が非対応なら、まず相談。難しければマネーフォワードに対応した税理士を選ぶ
但し、ご自身のみで、会計ソフトの変更やマネーフォワードへ移行する際の具体的な手順を落とし込むのは少々大変かもしれません。まずは顧問税理士や有識者へご相談をしてみてください。
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